壱、始計篇 5 基本と応用

孫子の兵法

 計、利としてもって聴かるれば、すなわちこれが勢をなして、もってその外をたすく。勢とは利によりて権を制するなり。


 さて、七つの基本条件において、こちらが有利であるとしよう。つぎになすべきことは、「勢」を把握して、基本条件を補強することである。「勢」とは、その時々の情況にしたがって、臨機応変に対処することをいう。


【仕事・職場で】

 基本に忠実であることが前提であるが、より良い結果を生み出す確証が得られれば臨機応変に対応すべき。確証がない考えで上長の指示以外の行動に出て失敗すれば、結果が出せないだけでなく、責任も問われかねない。

 意気消沈していれば、効率は下がるし、声掛けにも元気がなくなり、勢いは失われて十分な力量を発揮できない。

 意気高揚していれば、効率は高まり、声に張りが出て、勢いは増して十二分な力量を発揮できる。


★勢も味方についているのか、自分の気分が高揚しているだけなのか、区別して把握すべき。自分が昂っていると、あたかも勢いが自分側にあるように錯覚する。

★確証があっても、その考えについて上長に提案してから行動すれば間違いはない。

★相談できる上長がいない場合で選択を迫られたときは基本的な行動をすべきだが、情況判断をするなかでより良い結果への確証をつかみ、リスクを取る勇気を出せるなら、臨機応変な行動は自分の評価を上げる可能性を広げる。


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