壱、始計篇 7 勝利の見通し

孫子の兵法

 それいまだ戦わずして廟算勝つ者は、算を得ること多ければなり。いまだ戦わずして廟算勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。しかるをいわんや算なきにおいておや。吾、これをもってこれを観れば、勝負あらわる。


 開戦に先立つ作戦会議で、勝利の見通しがたつのは、勝利するための条件がととのっているからである。逆に、見通しがたたないのは、条件がととのっていないからである。条件がととのっていれば勝ち、ととのっていなければ敗れる。勝利する条件がまったくなかったら、問題にならない。

 この観点にたつなら、勝敗は戦わずして明らかとなる。


【仕事・職場で】

 なにも争いにしか孫子兵法を使わない手はない。

 普段の仕事をするにあたり、諸条件を把握し、手順や効率を組み立ててから作業にとりかかれば、完了までのメドがたつ。しかし、何も考えずに取り掛かれば、いきあたりばったりの作業となり、いつ終わるのか、どのくらいの作業量なのかは終わってみないと分からない。

 計画をたてることが苦手な人は、条件のあぶりだしが不足しているのである。


★事前計画を具体的にできないときは、考えるための材料不足。

★上司や組織の要求にこたえられるかどうかを判断するには、分析力と計画力が必要。


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