故に、これをくらぶるに計をもってして、その情をもとむ。曰く、主、いずれか有能なる、将、いずれか有能なる、天地、いずれか得たる、法令、いずれか行なわる、兵衆、いずれか強き、士卒、いずれか練いたる、賞罰、いずれか明らかなる、と。これをもって勝負を知る。
次の七つの基本条件に照らし合わせて、彼我の優劣を比較検討し、見通しをつける。
一、君主は、どちらが立派な政治を行なっているか。
二、将帥は、どちらが有能であるか。
三、天の時と地の利は、どちらに有利であるか。
四、法令は、どちらが徹底しているか。
五、軍隊は、どちらが精強であるか。
六、兵卒は、どちらが訓練されているか。
七、賞罰は、どちらが公正に行なわれているか。
わたしは、この七つの基本条件を比較検討することによって、勝敗の見通しをつけるのである。
【仕事・職場で】
五つの基本問題で自分の力量を把握したら、次は七つの基本条件で相手と自分を比較する。
いずれかにおいて不利だから敗北すると決まったわけではないが、事を起こすからには勝利・成功しなければ、物事を起こしたこと自体が損失となり、その後の自分の置かれる環境の悪化にもつながる。
できるなら、すべてにおいて勝っている状態で事に臨むべきである。
★就職・転職、異動をするなら、どの会社・部署のボスが部下をよく治めているか。ボスが優れていなければ、その組織に帰属しても、組織自体が存続できない。
★上司は、就職・転職先、異動先によって、どちらが有能か。無能な上司のもとで動くのは、動きづらさ、責任転嫁、成果横取りなど、ろくなことが起きない。
★非物理的条件(労働条件など)や物理的条件(立地など)はどちらが有利か
★コンプライアンス(法令順守)や社則、社風は、全体にいきわたっているか。知らないうちに違法なことをさせられている…ということは避けたい。
★有能な社員・メンバーが多いのはどちらか。能力の高い人たちに囲まれていると、自分の能力も引き上げられる。
★個人的感情で賃金などの労働条件を左右されては、どんなに仕事で結果を出しても報われない。自分の能力を適正に評価し、形として報いてくれることがシステムとなっている組織に属したい。
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