孫子曰く、およそ兵を用うるの法は、馳車千駟、革車千乗、革甲十万にて、千里に糧をおくる。すなわち内外の費、賓客の用、膠漆の材、車甲の奉、日に千金を費やして、しかる後に十万の師挙がる。
およそ戦争というものは、戦車千台、兵卒十万もの大軍を動員して、千里の遠方に糧秣を送らなければならない。したがって、内外の経費、外交使節の接待、軍需物資の調達、車両・兵器の補充などに、一日千金もの費用がかかる。さもないと、とうてい十万もの大軍を動かすことができない。
【仕事・職場で】
人と争うことは、時間・精神・労力を費やすことになる。費やした時間は取り戻せない損失になるし、被る精神的ダメージは肉体のダメージにもつながる。争う前に、そのことを重々覚悟のうえで、事をかまえなければならない。
できれば、時間も精神も無駄にしないように、避けられる争いは避けるべきである。
★先を見越して、あらかじめ犠牲にしても良いものを自分の中で決めておく。頭を下げること、プライドを捨てること、承認欲求を捨てること。どこまでならできるのかを決めておくと、無用な争いを回避できる。ただし、ポリシーだけは捨ててはいけない。
★「大儀の前の小事」。大きな志が自分の中にあるならば、日々の小さな争いごときで左右されることが馬鹿らしくなってくる。できることなら、何のために生きるのか、誰のために生きるのかを見つけたい。
★生きていく中では、損得勘定だけでは片づけられない問題に直面することもある。その場合でも、その物事に応じるには多くのものを費やさなければならないことは知っておくべき。知っていれば、その問題に対する決意は、さらに固い決意となる。
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