弐、作戦篇 4 勝ってますます強くなる

 故に敵を殺すものは怒なり。敵の利を取るものは貨なり。故に車戦して車十乗已上を得れば、その先ず得たる者を賞し、しかしてその旌旗をかえ、車はまじえてこれに乗り、卒は善くしてこれを養う。これを敵に勝ちて強を益すという。故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。故に兵を知るの将は、生民の司命、国家安危の主なり。


 兵士を戦いに駆りたてるには、敵愾心を植えつけなければならない。また、敵の物資を奪取させるには、手柄に見合うだけの賞賜を約束しなければならない。それ故、敵の戦車十台以上も奪う戦果があったときは、まっさきに手柄をたてた兵士を表彰する。そのうえで、捕獲した戦車は軍旗をつけかえて味方の兵士を乗りこませ、また俘虜にした敵兵は手厚くもてなして自軍に編入するがよい。

 勝ってますます強くなるとは、これをいうのだ。

 戦争は勝たなければならない。したがって、長期戦を避けて早期に終結させなければならない。この道理をわきまえた将軍であってこそ、国民の生死、国家の安危を託すに足るのである。


【仕事・職場で】

 チームメイト、部下を発奮させる動機付けが必要であり、また、目標を達成した人にはそれに見合うものを与えなければならない。どちらが欠けても全力で物事に相対してくれない。


★会社の目標、チームの目標、その日の業務の目標を明確にすることで、動機付けにできる。

★目標達成時に応分に報いることそのものが、動機付けになることは多い。

★やりきった仲間への缶コーヒー一本、ねぎらいの言葉が、その人の承認欲求を満たす。また、承認欲求を満たしてあげることで、再び自分とともに頑張ってくれる。


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